★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

ヘッドホーンを換える

1960年代後半からテープによる生録音を始めたことにより、ヘッドホーンが必要になって求めたのが、TEAC HP-101 というムービングコイルタイプの密閉型だった。
スペックの詳細は、再生周波数帯域 18-20,000Hz、8オーム、許容入力 500mW、重量 390g、発売時期は、1969年頃~1976年頃とされている。

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HP-101
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パンフレット

生録は、最初カセットデンスケの SONY TC-2850SD を使用して、北海道の主にSLの録音を行った。マイクは最大では数本使用するマルチマイクで、スタンドやらミキサー、マイクケーブル、電池、テープ等合わせて40kgにもなったため、チッキで岩見沢の常宿へ送付したりした。ちょい録りでは、ステレオマイク1本で行ったりしたが、やはりデンスケの重さが気になったので、翌年の1976年10月には、より軽い VICTOR KD-2 というカセットデンスケに変更していた。

生録自体は、1980年代前半くらいまで行っていた記憶だが、家ではヘッドホーンをほとんど使用することが無くなり、時期は不明だが、処分したらしく記録が残っていない。

それから、かなり時間があき、
2018年暮れ、audio-technica ATH-M50x を入手。

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ATH-M50x
以前からTVの番組をよく録画するようになっていたが、再生モニターがTV本体であることから、家族間でTVの占有が難しくなってきていた。特に、家族と視聴する内容のジャンルが大きく異なり、無理に占有すると家族間トラブルの原因になることから、HDD録画をBD等にコピー(移動)して、私はPCモニターで観る事が多くなった。さらに音が聞こえるとのことから、トラブルにならないように当初はイヤーホーンで聴いていたのだが、あるときに、何回か耳穴が非常に痛くなることが発生した。

それでイヤホーンでなく、耳穴には問題の無いヘッドホーンに換えることにしたのだった。
何にするか選択が難しかったので、色々情報をチェックした結果、少々お高いが、密閉型でモニター系という ATH-M50x を入手するに至った。

フラット寄りの音質ながらも低音の解像度がとても高く、ベースラインやバスドラムの質感がはっきりと伝わってくる。決して低音が強調された感じではなく、全体のバランスが取れている、という評価だったが、
実際に聴いてみると、低音楽器の解像度は良いが、やや強めなのが気になった。中域、中高域に関しては、まあまあ問題なしで、女声ヴォーカルも良い雰囲気に聞こえた。

あと割と長い時間聴いていて気になったのが側圧の強さ。当然密閉性は良いのだが、その分少し気温が高いと、汗が溜まる雰囲気がある。そして少し重い。

新型コロナの影響で、よりホームステイになっていることで、筋肉が衰えてきたためか、ヘッドホーンの重さによる首の負担が大きくなってきた。

それで、もう少し軽く、低音の強調が余りなく、キンキンしない程度のモニター系で側圧も負担にならない程度で、かつ、あまり高価でないものは無いかな~、と思っていたら、ちょうどよさげなモノを見つけた。

それが今回入手した、AKG K240studio という機種。

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AKG K240 studio
本体のみの重さは240gで、 ATH-M50x より45g軽いだけだが、見た目はもっと軽く感じる。ちょっと華奢な感じさえするが、実用上は特に問題なかった。

音は、特に最初の数時間の範囲では、低音の強調は無く、ただ高域の金属音的な楽器の音が独特で、チィーンではなく、カーンという感じだった。側圧は、適度な感じで楽に装着できる雰囲気。あと、ATH-M50x よりやや感度が低い感じがした。

またセミオープンタイプのためか、汗が溜まる感じはなく、長時間(2時間以上)装着していても快適だった。あと音がやや後ろから聞こえてきて、慣れるまで何回か装着を確かめたりした。

このK240 studioは、ケーブルが交換できるタイプになっていて、本体側はミニXLRコネクターになっている。機器側はTRSホーンタイプで、もちろん純正ケーブルが付属するが、交換ケーブルとしてBELDEN 82761を用意した。

純正ケーブルを 82761ケーブルに交換してみると、高域の独特の音が、より本物に近い感じに聞こえた。あと全体に解像度が上がったようにも感じたが、やや軽めのサラサラした雰囲気のようにも感じられた。

ところが、実際に通電した状態で(多分6時間以上)翌日、聴いてみたら、全体にしっとりした雰囲気に変化して低音も十分な音圧で鳴っていた。短時間ではあるがエージングが進んだような感じ、というと分かりやすいかも。

試しにケーブルを純正ケーブルに換えてみたら、同様にしっとりして低域から高域までのバランスが良くなった感じがした。これなら純正ケーブルでも良いか、と思いつつ、BELDENに戻してみると、やはり純正ケーブルより解像度が高く、強調するほどでは無いが低域も十分であることを再認識できた。

なお、セミオープンなので、周囲の音も僅かに聞こえるため、突然目の前に家族が来て呼ばれ、驚くことが無くて好都合。

重さも ATH-M50x より軽く感じて首への負担も少なそうなので、良かった感じである。