★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

クロス周波数考

ー 2009/04/16 ー

今回のホーンに名称を付けることに。製作者のお名前から『Sakoh620ホーン』とする事に決める。

Sakohホーンの導入によって、クロス周波数について迷いが生じてきた。

先月末にいったん決めたクロスは、350Hz、1250Hz、5000Hz、10000Hzであった。

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組込
使用ユニットは、上の周波数帯から
・T925、
・LE-85+Sakohホーン
 (今回入手した小型ウッドホーン)、
・M-100+H400ホーン、
・PM-1644BM+Linfof 工房特製箱(外形で約 35L)
 (DS-3000のミッドバスユニット)、
・DS-1000Zのウーファー部(約45L)、
である。

通常5Wayでのバス(ウーファー)は、100Hz~150Hz 前後のクロスが良いとされている。ただしこれは 38~46cmのユニットを想定したものであって、我が家での 27cmなどという小さなユニットは想定外とされている。

またミッドにホーンタイプを使おうとする場合は、1インチのドライバーであっても幅が 700mmなどという大きなホーンを使えば 300~400Hzから使用可能とされている。しかし、それより下のウーファーにまでは届かない。また幅が 400mm程度のホーンの場合は 800Hz前後までしか下の周波数を担当できない。

そうすると、そのつなぎとしてミッドバスが必要となる。従って 38cmのウーファーを使う場合ではミッドバスは大きなホーンを使う場合でも 100~150Hz から 300~400Hz、小さなホーンの場合では 100~150Hz から 800Hz 前後を担当することになる。

ウーファーが 27cm~20cm 位になると、分割振動などの特性から上側はもう少し高いところまで使えるようになるが、300~800Hz ぐらいが良いと思われる。

ミッドの上のクロス(上限)は2インチドライバーの場合は、4000~5000Hz とされ、1インチドライバーの場合は、8000~10000Hz とされている。

ミッドバスに繋ぐユニットは、2インチドライバーを使う場合は、ミッドハイが必要となる。この場合1インチドライバーを採用すれば 8000~10000Hzでツィーターに繋げる。したがって最初から1インチドライバーを使った場合は4wayで済んでしまうことになる。


さて、我が家での条件は、最初に DS-3000のミッドバスが気に入り、ここからスタートしたので、このミッドバスがうまく働くようにクロスを設定していた。

ミッドバスの PM-1644BMは、外形約 35Lの Linfof工房特製の密閉箱に入れてある。このユニットは DS-3000に組み込まれているユニットのため、特性表などは発表されていない。したがって再生周波数などは、DS-3000のカタログから読み取るしか手がないため、箱に入れた状態で実測をしてみた。

これをノーフィルターで(=フルレンジとして測定)軸上 50cmのところで測定した特性表から判断すると 250~10000Hz 程度の再生帯域を持つことが判る。

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周波数特性
グラフが暴れているのは部屋の特性と思われる。


現在は、F-15に組み込んだフィルターユニットの関係で 180Hz でウーファーとクロスさせているが、ややクロス付近から 300Hz 辺りがやせている。そこでDS-3000が採用している 350Hz を採用することにしていた。

ミッドとミッドハイには、M-100と LE-85を所有していることから、低い方を M-100に、高い方に LE-85を使うことにしていた。

最初ホーンは、H400ホーンと USホーン(ストーンテクノ特製ウルトラショートホーン=厚み 23mm)だったので、USホーンの下限が 3000Hz ということからミッドとミッドハイとのクロスは 3000~5000Hz を考えた。また H400ホーンはカットオフが 455Hz ということから 800~1300Hz がミッドバスとミッドのクロスと考えた。

ミッドバスとのクロスは、当初は F-15のフィルターユニットが 1000Hz だったので、そのまま 1000Hz で使用していた。だが、ミッドバスを最大限に使うとすると、もう少し上に延ばして 1250Hz を採用しようと思った。

ミッドとミッドハイとのクロスは 4000Hz を選んでいたが、チャンデバ D-23の制約から 3200Hz を選定して使用していた。しかし、これは M-100の性能を生かしてはいないと考えて 5000Hz にするつもりで居た。

ツィーターとのクロスは LE-85が 5000Hz 付近から高域側がダラダラと下がるということからツィータ T925が性能を発揮する 10000Hz を採用した。

さてさて、ここで Sakohホーンが入ってきて実際に音出しを始めると、その魅力的な音に、5000~10000Hz の1オクターブだけ使うのはもったいない気がしてきた。しかしながら、カットオフは 620Hzで使用帯域は1200Hz~ということなので H400ホーンの代わりにはならない。

M-100と LE-85を比較し特性グラフを記事としている http://ameblo.jp/sp3/entry-10068458750.html
によると300Hzから実用になるM-100と高域特性に優れた LE-85というのがグラフからも読み取れる。

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LE-85 & M-100

我が家でもそれを聴感上で感じていた。そのためミッドバスから直接 Sakohホーンによってミッドハイに繋ぐのも可能なのだが、あえて M-100にミッドを、LE-85にミッドハイを担当させたく思っている。

そうするとミッドバスとミッドのクロスは、1250Hzでは、今度はM-100が生かせない可能性が出てきた。それで考えたクロスが 800Hzである。ミッドバスの帯域は少し圧縮されるが、M-100が生きた方がいいという判断である。

ミッドとミッドハイのクロスは 5000Hz と思っていたが、ドライバーの使用帯域は2オクターブが最適とする説もあるので、M-100を 800Hzから使うとなると2オクターブで 3200Hz となるので、より近い、4000Hz を採用することにして、LE-85の明るい音色を生かそうと考えた。

ツィータとのクロスは 10000Hz のままである。

まとめると、新しく想定したクロス周波数は、350Hz、800Hz、4000Hz、10000Hzである。

早速、チャンデバのオーダーに対し、クロス周波数の変更をお願いするメールを送った。ただし、オーダーメイドなので、あくまでも間に合えば、である。


ところで、新しく想定したクロス周波数は、メジャグランのチャンデバを譲っていただいたときに、前オーナーが使用していたクロス周波数チップの 200Hz、800Hz、4000Hz、10000Hz と偶然にも非常に似通っていておもしろく感じた。

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No.26
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No.26 内部
一番下の 200Hz は、前オーナーが 38cmのウーファーと 25cmのミッドバスを使っていたことに依るもので、当方のウーファーが 27cm、ミッドバスが 16cmとそれぞれ小さいことによる違いである。

ちなみに現在ツィータはチャンデバの出力を再度プリメインアンプに送り込み、トーンコントロールの高音つまみで 3dBほどアップさせた出力を T925に送っているが、シィーシィーノイズが少々大きく感じられるため、余裕ができたらパワーアンプを 1組加えて交換するつもりである。

そしてミニキューブ(メジャグラン特製)を繋いでもう 1個スーパーツィータ(20KHz~)を加える予定でいる。