★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

バランス調整とウエル再生

ー 2008/04/27 ー

1週間、夜中の試聴ではあるが、色々調整をして最適なポイント探しをしてきた。

実のところ、チャンデバを6ch対応のメジャグラン製のものを入手しようと考えているのが、当面の目標で、これを発注する際に予めクロス周波数を指定(クロス周波数は固定式。周波数の変更は、周波数チップを買い換えれば可能)する必要があるため。

当初(今年3月初め頃まで)は、2wayスピーカーシステムでわずか7リットルほどにもかかわらず、中型ブックシェルフタイプにもひけを取らないほどの低域再生能力を有し、全体のクオリティが抜群の性能をもつ、スイス製の Ensenble PA-1をベース(ウーファー)として、高域以上にJBLを主体とするホーンユニットを組み合わせて、より好みの音作りを目指していた。

この時までのクロスポイントとユニットは、諸氏のデーターなどを参考にして

2007年12月15日までの時点:
1.ベースユニット(Ensenble PA-1) ~6300Hz
2.ツィーター(Fostex T-925) 6300~40KHz

2007年12月22日までの時点:2402Hを入手。
1.ベースユニット(Ensenble PA-1) ~2500Hz
2.ツィーター(JBL 2402H) 2500~15.0KHz
3,スーパー・ツィーター(Fostex T-925) 15.0K~40.0KHz

2008年2月2日までの時点:LE85とH91ホーンを入手。
1.ベースユニット(Ensenble PA-1) ~2500Hz
2.ミドル(JBL LE85 + H91) 2.5K~10.0KHz
3.ツィーター(JBL 2402H) 10.0KHz~

2008年2月9日までの時点:
1.ベースユニット(Ensenble PA-1) ~3200Hz
2.ミドル(JBL LE85 + H91) 3.2K~8.0KHz
3.ツィーター(JBL 2402H) 8.0KHz~
4.スーパー・ツィーター(=追加、Fostex T-925) 10.0KHz~

2008年3月6日までの時点:H500ホーンを入手。超ショートホーンを入手。
1.ウーファー(Ensenble PA-1) ~1250Hz
2.ミドル(JBL LE85 + Fostex H500) 1250~6300Hz
3.ツィーター(JBL 2402H) 6.3KHz~
4.スーパー・ツィーター(=追加、Fostex T-925) 10.0KHz~

2008年3月23日までの時点:LE175を入手。
1.ウーファー(Ensenble PA-1) ~1600Hz
2.ミドル(JBL LE175 + Fostex H500) 1600~3200Hz
3.ミドル・ハイ(JBL LE85 + ストーンテクノ 超ショートホーン) 3.2K~6.3KHz
4.ツィーター(JBL 2402H) 6.3KHz~
5.スーパー・ツィーター(=追加、Fostex T-925) 10.0KHz~

2008年4月3日から4月18日までの時点:
1.ウーファー(Ensenble PA-1) ~1250Hz
2.ミドル(JBL LE175 + Fostex H500) 1250~5000Hz
3.ミドル・ハイ(JBL LE85 + ストーンテクノ 超ショートホーン ) 5.0K~9.0KHz
4.ツィーター(Fostex T-925) 9.0KHz~

2008年4月19日からの時点:DS-1000Zのウーファー部入手。
1.ウーファーDIATONE DS-1000Zのウーファー部=PW-2706BMと思われる) ~320Hz
2.ミドル・バス(Ensenble PA-1) 320~1250Hz
3.ミドル(JBL LE175 + Fostex H500) 1250~3200Hz
4.ミドル・ハイ(JBL LE85 + ストーンテクノ 超ショートホーン) 3.2K~9.0KHz
5.ツィーター(Fostex T-925) 9.0KHz~


以上のように昨年3月に Ensenble PA-1を入手してから、かなりシステムのグレードアップが進んできた。


ところでDS-1000zw(DS-1000zのウーファー部)の入手と同時に最初の PA-1をベースにするという構想がくずれ、予想外の方向に進んでいるのも確かで、自分でもおもしろい、と思ったりしている。

現在、DS-3000用ミッド・バス(PM-1644BM)を収納する箱をLinfof工房に制作依頼しているが、これが入ってくるとミッド・バス以下がダイアトーン、中域以上がJBL系ホーンシステムという特異なシステムが出来ることになる。この状態ではPA-1を外すことになると思うが、その去就については未定である。



先週からの調整では、いくつかのソースを使って微妙なポイントを探したり、確認のためにメインシステムと比較しながら聴いていった。

PA-1と違い、ゆったりと自然に低域を再生するDS-1000zwの御陰で低域はとても良くなった。しかしクロスポイントの少し下(200~250Hz)付近がボンつくような感じがある。これはクロスポイントを125Hzまで下げて繫ぐとスッキリすることからも判定できた。

またフォルテシモなどではホーンユニットがホーンの高能率のためか急激にパワーアップするのが気になる部分もあるが、それよりも特にピアノやビブラフォンなどがなんとなく霞んでしまい、引っ込むように聞こえるのがとても不満に感じてしまった。

そこでメインシステムと比較しながら探ると、1.6KHz~2.0KHz付近が弱いことがわかった。

以上のことからグライコ(Technics SH-8065)を使って調整してみた。

その結果は、
63Hz +1dB
80 +3
100 +4
125 +3
160 +1
200 -1
250 -1

1250 +1
1600 +4
2000 +2

16000 +2
20000 +3
25000 +6

63~250Hzがウーファーとミッド・バスに係わる部分。
1250~2000Hzがミッド・バスとミッドに係わる部分。
そして16000Hz以上は、ツイーターの高域補正にあたる部分。

ちなみにクロス周波数とチャンデバのレベルは、
12dB/oct -6dB落ちクロス:

      • 320Hz -- 1250Hz -- 5000Hz --- 9000Hz --

(-1dB) -- ( 0dB) -- (-19dB) -- (-18dB) --

(※ 9000Hzは、ネットワークによる分割=レベルコントロールは、なし)

という結果からミッド・バス(PA-1)とミッド(LE85 + H500)とのクロスは-6dB落ちのクロスでなく重なりが大きく、フラットでなく盛り上がるとされている -3dB落ちとした方が良さそうである。原因としては LE85は 500Hzから使えるとされているため問題は考えられないので、H500ホーンの低い周波数でのホーンロードがあまり掛かっていない可能性が考えられる。

グライコで補正している現状では、ピアノ、ビブラフォン金管楽器などが鮮明に浮き出してきて、気持ちよい。

ただし、このままグライコによる補正とするか、またはH500ホーンをもう少し低い周波数まで使えるホーンと交換するかは思案中である。

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追記

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ミッド・バスとミッドのクロスを変更してみた。

ミッドは、H500のロー側に問題ありと考えて、ローカットはそのままの1250Hz、12dB/octとし、ミッド・バスのハイカットを1250Hzから1600Hzに上げてみた。スロープは12dB/octのままである。またレベルもそのままとし、代わりにグライコの1250~2000Hzはフラットにした。

すると、きっちりピアノが前に出てきた。1250Hzの時とは大違いである。

ただ良く聴いてみると録音が古い時代のジャズではグライコで2000Hzを2dBほどアップさせた方が更に好ましい音になる。逆に新しい録音のものではクラシックでもジャズでも、イコライズしない方が好ましい。

試しに古い録音のジャズ盤でミッドのハイカットをもう一つ上のポイントである2500Hzまで上げてみたり、1600Hzのままでミッド・ハイのレベルを2dBアップさせてみたりしたが、前者の場合は古い録音では良くなったように感じられたが新しい録音では煩くなってしまった。また後者の場合では、高い音が全体にシャシャリ出る感じになってミッド、バスとのバランスが悪くなってしまった。

これらから結果的に、ミッド・バスのハイカットを1600Hz、ミッドのローカットを1250Hzに決めて、しばらく色々な盤を聴いて行こうと思う。

ところで実のところ箱を作ってもらっているダイヤトーンのミッド・バスユニットは試聴していないので
これが入手できたときには、またバランスの取り直しが必要になると思っている。

特にウーファーとのロー側のクロスとミッドとのハイ側のクロスポイントは重要で、音を聴いたことがない状態では、実際に使われていたDS-3000やDS-505のクロスポイントを参考にするしかない。

DS-3000では、350Hzと1350Hz。DS-505では、350Hzと1500Hzとなっている。ただし両者ともミッド・ユニットはメタルドームである。

このクロスポイントを参考とすると、H500でも使えると読んでいたのだが1500Hzはともかく、1250Hzは苦しい様子である。また、DS-3000用のユニットPM-1644BMは、DS-505用のPM-1637BMより磁気回路も強化されているということから、出来れば低めのポイントでミッドに繫ぎたいと思っている。

その点LE85は500Hzから使えるといわれているので、やはりH500よりはもう少し低い周波数から使えるホーンに替えた方がよいと思えてきた。