★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

クラシック対応を放棄してサブSP調整

ー 2008/12/23 ー

メインシステムとサブシステムの使い分けは、というと、最近は曖昧になっていた。

メインとサブの違いは、

<メイン・システム>
SPがDS-10000で、なにも触るところがない。しかし、リファレンスというか、どのようなジャンルにもきっちり対応できて、スキがなく、いつ聴いてもすばらしい。プリアンプ(Exclusive C-5)・パワーアンプ(Jeff Rowland model6 x2)は、それ相応の機種であり、レコード(MC)対応もバッチリで、壊れない限り、この先もきっと買い換えることもないだろう、という卒のないシステムである。CDプレーヤーは DENON DCD-1650AE。

<サブ・システム>
SPは、ダイヤトーンJBLFostex、Coralなどのユニットによる 5~7chのマルチ。プリは、猪苗代のY氏チューンのDENON PRA-2000、パワーアンプは LinnのLKシリーズ6台と SONYのプリメイン(超高域再生用)。チャンデバは本来はメジャグランの 6way対応の No.26なのだが修理に行きっぱなしのため、Pioneerの 4way対応の D-23と自作ネットワークを使用。CDプレーヤーは、SONY CDP-X5000と NEC CD-903。レコードにも対応できるが、最近は CDオンリーのため接続していない。他にグライコ Technics SH-8065がある。

その使い分けは、
通常は、サブだけを使用。主にJAZZ、JAZZボーカルを聴く。他に比率では30%位がクラシック。オケとピアノ、チェンバロなどの協奏曲やソナタなど。2年くらい前までは、SPがスモール2wayだったので主に夜中などにBGM的に聴く場合に、電気代の節約も兼ねてサブを使用していた。

ところが、SPシステムが割と小ぶりではあるがマルチとなり、パワーアンプも5台が常時稼働するようになって節約にはならなくなり、むしろ実験的に音作りを楽しむ(メインシステムでは出来ない芸当)という目的がサブの役目となってしまった。

先週あたりからの試聴で、CDも盤によって(録音年代とか録音方式とかという違い)ずいぶん違いがあって、JAZZ系統でもクラシック系統でもそれらを最大公約的にセッティングすると、「これ」という好みの曲(盤)を聴くと、つまらない音になっているということを何回か味わった。

この時、同じ盤をメインシステムで聴くと、はるかに楽しめる音でメインシステムでは聴かせてくれるのである。
「こりゃ~困った」・・・

メインシステムで、クラシックを聴きながら少し考えてみた・・・

で、出した結論は、
サブシステムは、気に入っている盤を楽しく聴けるようにしよう、ということだった。

盤によっては、少々バランスが崩れるのもあるが、それを気にしていてはしょうがないので、この際、英断!をすることに。

さて、方針を決めたので、その合わせる盤をきめることに。
これは直ぐ決まった。

前にも掲載した、MJQの"The Conplete Last Concert"である。Atlantic 84976-2

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MJQ "The Conplete Last Concert"

次にバランス調整をする。

1.最初に9KHz~を担当するユニットをJBL 2404HからFostex T925に変更。ただし、この変更にはあまり根拠はない。

2.Wooferを切り、Mid Bassの実力テスト。上を出しっぱなしから 800Hzまで段階的に下げてみる。次に下を 320Hzから出しっぱなしまで段階的に下げてみる。

3.この結果、下は 200Hz、160Hz、125Hzと下げるに従い、低域が出てきた。以前周波数特性を測ったときのデータから 300Hz以下は出ないものと思いこんでいたのだが、これにより意外と出る事が初めてわかった。ただし、100Hz以下では聴感上の変化はなかったので、下限は 125Hzと思われた。

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Mid BassユニットをLinfof工房特製の密閉箱に入れたもの。フィルター無しのフルレンジ状態で測定。

4.Mid Bassの上はというと、10KHzより上では変化がなかったが、5000Hzよりも、2500Hzより下の方がうるさくなく感じた。オリジナルの DS-3000では 1350Hzでミッドユニットに繫いでいることから、もしかするとそれより上の周波数帯には特性的にあばれがあるのかもしれない。

5.実験的に、Mid Bassの下は 100Hzとし、上を 2500Hzとして、Midを切り、Mid Hiの 2402Hに直接つなぐ形で鳴らしてみた。この結果は、2402Hのつなぎ部分がやや荒れた感じがするものの、結構聞けてしまうという感想だった。ついでにこの 2402Hとのつなぎを 3200Hz、4000Hz、5000Hzと上げてゆくと、2402Hの方は良くなって行くが Mid Bassの方が荒れた感じとなることがわかった。

6.次にMidの LE85+H400ホーンを入れ、Mid Bassとのクロスを探る。LE85+H400ホーンは、以前に 800Hz-5kHzで測定したデータがある。

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LE85+H400ホーン: 800~5kHz
LE85単体では500Hzから使えるため、500Hzから段階的に上げていった。その結果、800Hz、1000Hz、1250Hzのこの3ポイントで大きく音色の変化があることがわかった。ピアノの粒立ち、浮き上がり方は、800Hzから 1000Hzに切り替えた瞬間に大きく変化し、800Hzより 1000Hzの方が良い。1000Hzと 1250Hzでは変化の差が少なかった。それらの結果から、ここのクロスは 1000Hzと決定。

7.MidとMid Hiとのクロスは、2402Hのパワー感と音色について一番良く感じるのが以前と同じ 5000Hzだったので、ここのクロスは 5000Hzとすることに。

8.Mid Bassの下は単独の場合、100Hzでも良かったのだが、Bass(Woofer)を追加して細かく探ってゆくとBassの音色との繋がりは、160Hzが一番自然だった。そして Bassそのものは 200Hzまで持ってくると低域の量感も良くなることが判明した。

これが今日最終のセット。

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左側の DS-10000の上にある、ユニット群は未使用。

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ユニットの位置関係は、この位置からだと良くわかる

これらを一覧にすると、

Bass( DS-1000Zのウーファー部=外形40リットルの箱 )~200Hz
Mid Bass( DS-3000のMid Bassに外形27.8リットルの密閉箱 )160Hz~1000Hz
Mid( LE85+H400ホーン )1000Hz~5000Hz
Mid Hi( 2402H )5000Hz~9000Hz
Hi ( T925 )9000Hz~

オール12dB/oct。Mid BassとHiは、逆相接続。

これで、目標とした盤は楽しく聴けるようになった。なお、グライコは回路的に切り離して使っていない。

試しに、違う盤をかけてみた。

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”Waltz for Debby" Bill Evans Trio Riverside CAPJ 9399 SA (SACD Hybrid)CDトラックで試聴
楽器の分離も良く、楽しく聴けた。もしかすると比較的新しい録音のものが、うまく鳴っているのかも知れない。・・・少し、色々な盤をかけて試してみたい、と思えるようになった(のは、嬉しい)

      • 追記 ---

新しい録音の盤ではクラシックも結構いける。ただし、低域がやはり不足するのでグライコが有った方がよい。グライコは、60~125Hzを山型にmax 4dBアップでちょうどか。

ついでにグライコ無しで、2402HをM-100+USホーンに換えてみた。

ピアノやVibが大人しくなり、音が遠くになる。レベルを上げてみたりしたが、大きな変化はなかった。T925がシィーシィーいっている様に聞こえるのだが M-100の方もほとんど同じ様な聞こえ方で、2402Hのチィーンというように聞こえる様な鳴り方はしない。

2402Hに戻してみると、音の張り出しが強いことが分かる。レベルをわずかに下げても同じ傾向を示すので、これはユニットの特性と思われる。それと 2402Hの方が Mid Bassとの繋がりが良く聞こえる。音の塊の位置が Mid Bassに近い位置まで下がる感じを受ける。5000Hzのハイパスを通しているのに、である。

この点、M-100の時は LE85+H400ホーンの方にのみ繋がっている感じで音の塊が LE85よりの位置に聞こえる。

結局、目標とした盤では 2402Hの方が圧倒的に良い。