★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

SP調整

ー 2008/11/23 ー

チャンデバの修理(改善)をAMP修理工房に依頼してから約2ヶ月が経ったが、今のところ見積もりも来ないので予算上の計画が立てられずに困っている・・・

仕方がないので、相変わらずD-23で我慢しているのだが・・・

最近、特に気に入ってMJQのCDを聴いている。ほとんど毎日なので、メロディが鼻歌にも出るようになってきた。

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MJQ The Complete Last Conceert
Vibも良いのだが、John LewisのPianoの音色とタッチがとても気に入っている。
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ATLANTIC JAZZ 7 81974-2

他の盤や曲を無視して、とにかくこの盤を楽しく聴くことを目的に、SPを調整してみた。

最初に、ツィータを 2404Hから T925へ変更。

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2404H → T925
左側の DS-10000の上にある FT33RPと 2404Hは、未使用中。

特に変更の理由はないのだが、ミッドハイとして導入した M-100との相性を探ってみたかったこともある。

さて変更の内容だが、
最初に昨日までの現状(初期段階)は、

ロー: DS-1000Zw:~320Hz
ミッドロー:PM-1644BM+ Linfof工房密閉Box:320~800Hz
ミッド: LE85+ H400ホーン :800~3200Hz
ミッドハイ:M-100+USホーン :3200~9000Hz
ハイ:   2404H:9k~21.5kHz
チャンデバは D-23。
9kHzのクロスは自作の -6dB落ちクロスの 12dB/octのネットワークによる。

これを最初に 2404Hから T925に変えたので、9k~45kHz になったはず。

1番目の試し。
DS-1000zwと LE85+H400ホーンによる2way。
クロスはチャンデバ(D-23)の関係で800Hz。-6dB落ちクロスの 12dB/oct。

・・・クロスが1箇所だけなので、まとまりがよい。LE85の高域特性がよく伸びていることを感じさせてくれて BGM的に聴くならこれでも全く問題なく聴ける。シャカシャカ音は結構聞こえるがピアノの金属的な音色やタッチは弱くなり、より遠くで演奏しているような感じである。

ここで、今までグライコがONであることに気づき、OFFとした。グライコでは50~160Hzを増強してあったので、OFFした途端低域が弱くなったので、チャンデバのレベル調整をし直した。以下、グライコはOFF。

2番目の試し。
1番目の上に T925を入れる。T925は、LE85とのクロスを16KHz、12.5KHz、10KHzと高い方から試してみる。ただし 10KHzくらいから下の周波数になるとネットワークに繫いである M-100が静かに鳴り出す。

・・・T925が鳴っているかいないか程度のレベルの場合は 16KHzも 12.5KHzもさほど変化は感じられなかった。10KHzにするとM-100が鳴り出す影響もあると思うが、ピアノが浮き出してくる。より近いところで演奏している感じ。なおソースが最新のものや SACDなら 16KHzでも 12.5KHzでも変化があると思われる。

3番目の試し。
M-100に付けている USホーンの下の使用域は 3kHzより上ということから、DS-1000Zwと LE85のクロスを 3.2kHzに設定。最初に LE85、次に M-100に変えてみる。DS-1000Zwが 3200Hzまで再生できるかを試す。T925は外す。

・・・クロスが 800Hzから 3200Hzになったことで、レベル的にはDS-1000Zwが勝って大きく聞こえるが、中域の解像力が落ちたような感じになった。

次に LE85から M-100に変更する。

・・・LE85は、H400ホーンに装着していて、M-100は USホーンとホーンの材質、大きさ、種類が違うので一概には言えないが、3200Hzから上の周波数では M-100の方が音が前に出てくる。

さらに上に T925を入れてみる。

・・・ LE85+ T925よりも M-100+ T925の方が繋がりがよい。ホーンの形状、大きさとともに、材質的にも USホーンと T925のホーンが似ているためではないかと推測する。

4番目の試し。
DS-1000Zwを 3200Hzまで引っ張るのはあまり良い印象がないので、ミッドローを入れてみる。DS-3000ではミッドローを350~1350Hzで使用しているが、以前自宅で特性を測ったところ 300~5KHzが再生域であった。そこで上のクロスを 3200Hzとし、下のクロスを D-23の関係で 320Hzに設定してみた。ともに -6dB落ちクロスの 12dB/oct。

最初は M-100と組合せ。
すなわち
DS-1000Zw:~320Hz
PM-1644BM:320~3200Hz
M-100+ USホーン:3200~9000Hz
T925:9000Hz~

・・・中低域の解像度が高くなり、ボンつき状態が解消される。M-100との繋がりは DS-1000Zwの時よりはスムーズになったような気がするが、一方、時にうるさく感じられるときもあった。

試しに 3200Hzから上のユニットのレベルを絞りきって、ローとミッドローだけを鳴らしてみる。

・・・すると、双方のクロス、320Hzのところがスムースに繋がっていないことがわかった。ミッドローのユニットは 300Hz以下は急速にカットされる特性を持っているので、320Hzより下には下げられない。また DS-1000シリーズのウーファーは 600Hzでクロスされている。メーカーさんが 600Hzを採用しているのだから、ここでも 600Hz以上では使わない方がよいと思われる。

そこで、320Hzから 650Hzの間で最適クロスを探ることにした。クロスは周波数だけでなく、D-23では遮断スロープも変えられるので、両方を使って試した。

・・・結果、クロス周波数は 320Hzでローのハイカットは -6dB/oct、ミッドローのローカットは -18dB/octで一番スムーズな繋がりとなった。これは、ダイヤフラムの位置も関係していると思われるが、現在は DS-1000Zwの Boxの上にミッドローの Boxを積み上げているので、この位置を変えなければこの設定でよいと思う。

次に、ミッドローの上のクロスであるが、製品では 1350Hzが使われている(ただしこの DS-3000の場合はミッドがハードドームなので全く同じ条件にはならない)ので、これを参考にすることに決める。

そうするとUSホーンを装着している M-100は 3200Hzより下には下げられないので、LE85の出番となる。

LE85自体は 500Hzから使えるドライバーなので全く問題はないのであるが、設置している部屋の関係で大きなホーンが使えず、使える範囲内で一番大きい H400ホーンを採用している。H400ホーンは、がんばって 650Hz以上、一般的には 800Hzから使えるということで、今までは 800Hzをクロスポイントとしていた。

しかし、実のところミッドローのユニット(PM-1644BM)が気に入って採用しているにもかかわらず 800Hzのクロスではやや勿体ない気はしていた。そこでローを切って 320Hz以上のユニットでミッドローと LE85の最適クロスを探ってみた。


・・・最初に 800Hz。可もなく不可もなくでよく分からない・・・。と、いうことから 1350Hzに近い 1250Hzを試す。

~いや~、とっても繋がりがスムースで一つのユニットのように感じられる。逆にこの状態で 800Hzに戻してみると、ユニットの分離が感じられる。1250Hzにした状態では左右の SP間の定位も良くなっていることがわかった。

後で気がついたがミッドローの下のクロスポイントが 320Hzなので、上のクロスポイントが1250Hzということは、ちょうど2オクターブを受け持つことになっている、ということだ。


では、LE85はというと 1250Hzから 3200Hzでは1.5オクターブ位になる。
特に問題はないのだが、ついでなので、LE85+ H400ホーンと、M-100+USホーンの2つのユニット間のクロスポイントも試すことにした。

先に 3200Hzとしたのは USホーンの下の特性からである。自分で試して決めたわけではないので、ここを試すことに。

一応、M-100の方はネットワークが入っているため、上の周波数は 9000Hzまでである。したがって、試せる周波数は、3200、4000、5000、6400、8000Hzとなる。

・・・3200Hzを基準にして少しずつ上の周波数に変えていった。すると 5000Hzを中心にして両ユニットの一体感が変わることが分かった。すなわち5000Hzではほぼ1つのユニットのように感じられるのだが、周波数を下げると LE85の方に音源が移動する、そして逆に周波数を上げると M-100の方に音源が移動するのである。したがって 5000Hzのクロスが一番良いことになる。

ただしドライバーの位置は、H400ホーンの長さの関係で、LE85は M-100よりもダイヤフラムの位置で 200mm後ろにある。そして M-100は逆相接続してある、という条件での事とお断りをしておく。


これで、最終状態は

ロー: DS-1000Zw:~320Hz 6dB/oct
ミッドロー:PM-1644BM+Linfof工房密閉 Box:320~1250Hz:320Hzの方は18dB/oct
ミッド:LE85+ H400ホーン:1250~5000Hz
ミッドハイ:M-100+USホーン:5000~9000Hz 逆相接続
ハイ:   T925:9000~45.0KHz
チャンデバは D-23。遮断スロープは特記無きは-6dB落ちクロスの 12dB/oct。
9kHzのクロスは自作の -6dB落ちクロスの 12dB/octのネットワークによる。

と、なった。

なおチャンデバのレベルは、
ロー:-2dB
ミッドロー:0dB
ミッド:-14dB
ミッドハイ:-16dB
ネットワークはアッテネーターなし。
である。