★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

DS-1000Zのウーファー部採用

ー 2008/04/19 ー

DS-1000Zのウーファー部だけを使った低域専用システムが到着した。

送られてきた2個のダンボール箱はかなり大きく、たまたま今日はお手伝いが居ないので、早速開梱したものの重量が一番気になったが、大きさが手頃で持ちやすいこともあって、どうにか一人で屋根裏まで運べる重さで良かった。

部屋まで運び上げてゆっくり眺めて見ると、最初はオークションの商品説明と画像から大体の感じは掴んでいたが、やはり実物を目にすると面白く感じた。梱包から取りだしたときの印象は、思っていたよりも小さく、しかもスクエアだなと感じた。

表側、すなわちネット側は、「DIATONE」のエンブレムが目立つ厚みのあるネットが印象的だった。DS-10000は、最初からネットを持たないタイプなので、ネットそのものが目新しく感じたのである。

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外観

箱は正にDS1000Zを用い、それを輪切りにして繋いだかたちになっていて、工作的には上手く繋げてあるように感じたが、仕上げそのものは、すばらしく綺麗というものではなかった。その意味で外観上は、実用優先品だと思った。

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ネットを外した外観

ネットを留めるタボ穴は、下側はオリジナルをそのまま使い、上側は新規に穴を開けている。

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新規に作られたダボ穴
ネットの方もプラ製であることから下方で繋いであり、また上側のダボも新規に取り付けてあった。
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ネット枠に新規に付けられた凸ダボ

それぞれのシリアルナンバー(DS-1000Z)は、15638と15672で、重量は1個あたり18Kgだった。(以下DS-1000zwと記する。)

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後方から見ると


次に、これをシステムに組み込むことに。

本体には、オリジナルの600Hzでハイカットするネットワークが組み込まれているということから、最初は現行のサブシステムのウーファーにパラ接続し、ウーファーを補強する使い方を試みることにした。

この接続は、単にSPケーブルをパラにするのでなく、パワーアンプが余っていることと、Linnのパワーアンプには入力信号を分ける機構が組み込まれているので、これを利用することにした。

1.本来のウーファー部(PA-1)は、ハイカット1250Hz以下の周波数を担当し、アンプはLK100を使用。設置は、ACOUSTIC REVIVE RSS-602の上に挟み込んでいた緩衝系ブロックを外し、RSS-602に直接載せた。

2.補強のDS-1000zwは、LK100からの信号を LK240に入れ、DS-1000zwのSP端子に接続。すなわち内蔵されたネットワークにより600Hzでハイカットされた周波数のみ再生。設置は、RSS-602に載せてあった緩衝系ブロックを足として床上に置いた。

再生の結果は、散々。
なんかブワーっとした音になり、全体的にブーミーで逆に低い周波数が出てないように感じてしまった。 購入は失敗か!とも思ったが、密閉タイプの箱で、しかもDS-1000を改良したDS-1000Zのウーファーユニットを使っていて、こんな結果になるのは、なにかがおかしい!・・・と、しばし考えてみた。

DS-10000とはイコールにならないとしても、弟分の実力がこんなにひどいわけはない!
今度導入するミッドバスはDS-3000用のユニットである。同じDS系なのだからもっと良い結果になるハズ、と補強としての導入は止めることにした。


そして次に考えたのが現行のウーファーPA-1)をミッドバスとして使う(DS-3000用のミッドバスが来るまでの間)ことにし、今回のDS-1000zwをウーファーとする形である。

これは、実は簡単に実現できる。LK100から信号を分けていたのを単にチャンネルディバイダーから取れば良いだけだからだ。

すなわち、
1.DS-1000zwをチャンデバの1ch(今まで使っていなかった)に接続。ハイカット周波数は63~630Hzまでの11ポイントから設定できる。アンプはモノラル仕様のLK240。周波数は差し当たり、DS-3000用ミッドバス・ユニットで使用予定の300Hzに一番近い320Hzとする。(12dB/oct)

2.PA-1はミッドバスとして使用。チャンデバの2chに接続(今までと同じ)、ローカットはDS-1000zwの周波数に揃えた。ハイカットは今までと同じの1250Hz。

次に音だし。

これはいい!
豊かに、しかも軽く、スピード感があって、のびやかに聞こえる。

試しにハイカット周波数を変えてみると、125Hz以上で繋がりがよいことがわかった。また、125、160、200Hzと上げてくると200Hzのところから急に音圧が上がってきた。

PA-1の後側についているパッシブラジエーターは160Hz以下で大きく活動する。200Hzではほんのわずかだけ活動するが、320Hzでは全く動かないこともわかった。

これらから、やはりクロス周波数は320Hzとし、しばらくこの状態で聴くことにした。

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完成形態

思いがけずミッドバスを試せることとなったが、1250Hzまでを担当しているLE85+H500ホーンが綺麗に鳴っているように感じ始めたのは収穫だった。またピアノが浮き上がってきたようにも感じられた。

これはミッドバスとして使っているPA-1のウーファーが低域を担当しなくなったことで負荷が減り、またメタルコーンの音色とLE85+ホーンの音色的繋がりが上手くいっているのではないかと推測した。

コントラバスのピッチカートなども他の音にマスクされることなく鳴るようになったのも収穫だった。

DS-3000でのウーファー32cmとミッドバス16cmのクロスは350Hzである。DS-1000シリーズのウーファーは、27cmなのでクロス周波数は350Hz以上でもOKかも知れない。

元々のDS-1000Zでは、27cmのウーファーと6cmのドームスコーカーとは600Hzでクロスしているが、これはドームスコーカーの下の再生域が低いものでも400Hz位という条件があるので仕方がない数値と思われるが、ミッドバスが30cmとか25cmとかだとクロスには290Hzなどが採用されているので、やはり300Hz前後が適正と思われる。

なお、DS-1000zwではネットワークが組み込まれているので、このまま300Hz付近で使うならば、内蔵のネットワークを外すか、パスできるようにした方がベターと思っている。