★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

ドライバーの入れ替え

ー 2008/04/06 ー

ミドルレンジ(1250~4000Hz)を担当するドライバー(LE175)が、その上のミッド・ハイ(4000~9000KHz)を担当するLE85に負けているような感じがどうしてもぬぐい去れないので、試しにドライバーを入れ替えてみることに。

LE175は、ダイアフラム系が2インチ、スロート径が1インチのドライバーで、許容入力30W、音圧レベル110dB、磁束密度16,000ガウス、直径11.4cm、奥行き9.8cm、マグネットアセンブリー重量は3.7kgで 再生周波数が800~15KHz。家庭用としては500Hzも可能とされている。

LE85は、ダイアフラム系はLE175と同じ2インチ、スロート径が1インチのドライバーで、許容入力30W、音圧レベル108dB、磁束密度19,000ガウス、直径14.6cm、奥行き9.8cm、マグネットアセンブリー重量は4.5kgで 再生周波数が500~15KHz。

外観は、太さが違うだけでほぼ同じである。音色はともにJBLのコンシュマー製品とということと、ダイアフラム系が同じなのでほぼ同じなのだが、実際に聞いてみるとLE85の方が艶がある(やや派手)様な気がする。音圧は数値上ではLE175の方が2dB高いのであるが1200Hz付近では LE85の方がわずかに大きく聞こえる。

LE175は、入力(すなわち音量)を増やすと、LE85並みに鳴るが、小音量の時は痩せたように感じる。また1200~4000Hz位に限定すると LE85より硬い感じを受ける。

音量の差は、チャンネルディバイダーのレベル調整である程度は合わせられるのであるが、ある楽器、たとえば金管楽器の飛び出し方は、それぞれのドライバーのクセみたいな物で、やはり差を感じる。

ところで今の時点で一番気になるのは、ミッド域のH500ホーンから出る音である。今はここはLE175を使い1250Hzまたは1600Hzから4000KHzを担当させている。そしてこれの上に、LE85にUSHを装着し、上のクロスを9KHzとしてT925に繋いでいる訳であるが、どうもLE85がきらびやかに(好みなのだが)鳴る割に、LE175が弱く感じてしまうことである。

これは、USHを装着したLE85(1インチドライバーツィーター)を使わないなら、LE175もLE85も15KHzまで再生可能域があるのでH500ホーンに装着したままで、例えばLCネットワークにより9KHzでクロスさせているT925へ直接繋ぐことも可能である。

実際にこの方法でも試してみたが、繋がりは上手く行くが4~5KHzから上のクロスまでが大人しくなってしまう。LE85を使っても、やはりUSHを装着した方がヌケがよい。H500ホーンもウッドホーンとしては特別に小さなホーンではあるが、高い周波数では金属ホーンの音の方が好みである。


逆にLE175にUSHを装着した場合、LE85とどの位差が出るか試してみた。

最初にミッド(H500ホーン)をオフ、すなわちウーファーとして使っているPA-1は、元々22KHzまでの再生域をもつ2wayなので、チャンネルディバイダーで設定できる3200Hzで直接、LE175+USHへ繋いでみた。もちろんT925はそのまま繋いでいる状態である。

切り替えた当初は、中低域の厚みが無くなり、全体に高域に寄ってしまった様に思えた。しかし、しばらく聴いていると耳が慣れてくるためか、USHの独特のきらめきが感じられ、中低域は薄いが、結構聴けると思えてきた。レベル的にはLE85の時より2dBアップさせてウエルバランスとなった。

次に、LE85にH500ホーンを装着(最初のLE175と入れ替えた状態)し、1250~4000Hzに設定して、PA-1とLE175の間に入れて試聴。

f:id:nbins:20200302201857j:plain
Low:PA-1 / MID:H500+LE85 / Mid-Hi:USH+LE175 / HI:T925

これにより、ちょうどLE175とLE85が入れ替わった状態となったわけであるが、最初に音が出て「やっぱり違うな」と思ったことは中低域がしっかりと重みを出してきたことだった。音のバランスがピラミッド型にきっちりなり、とても気持ちがよい。

ウーファーとのクロスは1250Hzと1600Hzを試してみたが、1250Hzの方がLE85が生きる。またここには、近々ミッドバス・ユニットが入るので1250Hzの方がより良いと思われる。

LE175とのクロスは、3200Hz、4000Hz、5000Hzを試してみた。

この中で一番良かったのは5000Hzだった。ピアノでは、中低域を除くほとんどの音域をLE85がカバーすることになり無理がない。

またLE85の場合、LE175を外して直接T925に繋いでもそれほど破綻しない雰囲気だった。ただしこれはわずかな曲と音量でしか試さなかったので確実なものとは言えない。

一応、LE175とのクロスは、5000Hzでしばらく試すつもりである。

まとめると、
ウーファーPA-1、~1250Hz、Linn LK100
ミッド:LE85+H500ホーン、1250~5KHz、Linn LK85
ミッド・ハイ:LE175+USH、5K~9KHz、Linn LK85
ハイ:T925、9K~40KHz(9KHzのクロスはLCネットワークによる)

パワーアンプは、上記のように全てLinnのLKシリーズを使用。