★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

SONY TA-F222ESJ

ー 2008/06/24 ー

久しぶりにプリメインアンプを入手した。

SONYが1993年に発売した TA-F222ESJである。

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SONY TA-F222ESJ

このアンプは、マルチシステムの1番高い周波数帯のウルトラハイのドライブ用である。メジャグランの仙人が推奨する、ハイエンドの再生方式を試すためのアンプとして購入したものである。

実のところ、この用途には DENONの PMA-390IVが多く採用されていて、最初はこれを狙っていたのだが、ヤオフクでも人気が高く、結構高値になってしまい落札できなかったことが2度ほど続いていた。

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DENON PMA-390V

ウルトラハイのドライブ用としては高域の再生特性が重要で、スピーカーユニットの方が 45KHzまで再生能力があるので、アンプとしても 50KHz程度まで伸びているものが必要である。この点で PMA-390IVは、50KHzまで再生できるので適応する。

出力は8Ωで 10Wもあれば十分で、Phono回路は無くても良い。ただし、高域特性と共にトーンコントロール回路が有ることが条件となる。また、我が家ではスペースの関係から PMA-390IVの大きさ W434 x D338 x H121mmは、コンパクトで好ましい。

PMA-390IV以外で条件に合うアンプを探してみたら、いくつか見つかったが、その中で流通量が多く、価格も手ごろなものにSONY TA-F333シリーズがあった。外観デザインと性能からは TA-F333ESAや TA-F333ESJが良かったのであるが、設置場所のラックの高さの制約から高さが 160mm以下という条件もあったので、高さが 165mmある 333シリーズは除外されることになった。

そこで、白羽の矢を立てたのがこの TA-F222ESJである。発売年代としては 15年前になる機種であるが、終段が高域特性が良いとされるMOS FETで、再生周波数は、2Hz~200KHz 0 -3dBで申し分なく、トーンコントロール付きで、サイズは W430 x D375 x H150mm、出力は 80W x2(8Ω)、SN比も Line系では 105dBあり、前身黒色で 14Kgのがっしりした筐体であるが、高さもクリアできてピッタリのアンプだと思った。ただ、1980年代前半に使っていた SONYのアンプは、SONYぽい音(当時の)がしていてやや気になってはいた。

ちょうど、初期入札額兼希望落札額という設定の TA-F222ESJが出品されていたので、終了の5分間に入札、同時に落札となった。

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コントロール系のカバーをオープンした状態
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裏面
 
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裏面拡大

相手方の仕事の関係で、入金の確認前に送付していただいたので、週末には到着し、早速試運転をした。

15年前の機種ながら外観程度も良く、スイッチ、ボリュームもスムーズに動き、とても程度の良い製品で大満足であった。

また、1970年代後半~1980年代前半でのSONYぽい音は全く感じられず、ダイナミックでしっかりした音がして安心した。

炭山アキラ氏の「長岡鉄男が愛したシステム&ブランドたち」という解説の中で、TA-F222ESJについて以下のように書かれている。

・・・「93年発売の本機は重量14kg、MOS-FET出力素子採用と、当時49000円という金額からは考えられな様な内容の濃いプリメインだった。かってオーディオフェアのイベントで長岡氏の「モア」を鳴らしたときに本機を用いたことがあるが、300人収容のイベント会場に生きのいい音を響かせたのには心底驚いた。」・・・

実際、本機をじっくり観察すると 49000円という比較的廉価な価格設定はどうして可能だったのか、と思うほど、しっかりとした作りで、当時のSONYさんも余裕があったんだな、と感心してしまう。

ウルトラハイのドライブアンプだけでは勿体ない気がして、ちょうど出力が A、B切り替えられるので、Bの方には今まで活躍してきたフルレンジ(2Way = Ensanble PA-1)を繋いで、たまに軽く聞き流すようなときに鳴らしてやろうとも思ったりしている。これはこのアンプへの入力が、プリ出力をチャンデバに接続した後、ダイレクト端子を経て入力されるため、要はプリの出力をAUXから入力することになるので、フルレンジ再生できるという特殊な使い方だから出来るのである。


ところで少し使っていて、驚いたのは結構な発熱量があることで、MOS FETの特性なのかも知れないと思ったりした。発熱量からは過去にA級アンプを使っていた時のことを思い出し、なんとなくではあるが、ニタッとしてしまった。