★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

ドライバー考 (2012/11/10 14:58)

      • Yahoo Brog からの移行が上手く行かなかったので、過去記事をアーカイブします ---

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サブのWoofer更新を兼ねて、MidのDriver & Hornの更新を進行中。

一時はMid-Wooferの使用を中止を考えた。
この場合、基本形としてWoofer+Mid+Tweeterという基本3wayで、補助的にSub-WooferとSuper-Tweeterを追加するというものだった。

この基本3wayでは、Wooferが27cmか30cmでクロスは600Hz、Midは2inchまたは1inchスロートのドライバーでホーンはウッドホーンを使用。この場合、上のクロスは、Tweeterもホーンタイプの場合、通常では7kHz前後になる。

ところが、Midのドライバーは、下を600Hzから使うとなれば、2inchが必要となるが、この場合一般的に上のクロスは2~5kHzとなり、Tweeterの選定が難しくなる。また1inchの場合だと上のクロスは、7~13kHzで良いのだが、下のクロスは、900~1500Hzとなり、Wooferとの繋ぎが厳しい。

一般的にはこの帯域のドライバーはカタログ上で、レスポンスは500~20kHzと記入されているものが多く、そのことからは全く問題無く使えるように思えてしまうが、高解像度、低歪み等を考慮すると、上記のような使用周波数になってしまう。

長い期間、色々な困難に立ち向かいながらMid-Wooferを使用してきていて、一時はその困難さからMid-Wooferから撤退を考えたが、そのユニット自体は貴重品であり、可能なら、組み込んで使用してゆこう、の気持ちに固まった。

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DIATONE PM-2586BM

上記のunitは、DS-5000に使われていたPM-2586BMという25cmだが、DS-3000で使われていた16cmのPM-1644BMも所有保管中で、レスポンス特性だけだとこの16cmの方が暴れが少ないので、もしかするとこちらに変更することも可能だ。

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DIATONE PM-1644BM

一応、現時点では、25cmの方を使うつもりで計画しているが、このMid-Wooferは、その特性から下のクロスが300~400Hz、上のクロスが800~1250Hzとなる。上のクロスは800Hz付近で考えると、2inchスロートで3inchダイヤフラムが最適。1200Hz付近で考えると1inchスロートで十分と考えられる。

現有のドライバーでは、DH1Aは、2inchスロート4inchダイヤフラムで、使用最適帯域は600~2500Hz。

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EV DH-1A

45D100は、1inchスロート1.8inchダイヤフラムで、使用最適帯域は900~13kHz。

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45D100、LE85
左側が45D100で、右側はLE85。



物理特性だけで判断すると45D100で良いことになるが、先日も試したとおり、音でいうと900HzのクロスでもDH1Aの方が耳に馴染んだ。(この場合、45D100は20cmSQカリンホーンに、DH1Aは40cmのウッドホーン=ホーンは共にAllenさんの作=に装着)

・・・という前振りで、ここからが本題!

耳に馴染んだDH1Aは、10.7kgとずっしりと来る重さがある。ドライバーではエール音響のとかのBigなものでは、30~40kgという、超重量級のもあるらしいが、私の感覚=体力=では、10kgでも相当重い。ましてや40cmのウッドホーンも重量級で、これを組み合わせたものは、私が動かせる重量の限界=たぶん25kgを越えているのではないか・・・

それでホーンの重さは変えられ無いがドライバーは、最近ではネオジウムマグネットを使用したものではmax5kgと半分以下の重さの製品が使われ始めている。

これに目を付け、最適なものを探し始めている。ただし、音を試すことが出来ないので、その点が不安。

すでに、現時点までに、ED-915、2445J、LE175、M-100、LE85、45D100、4540nd、D220Ti、DH1Aと各種なドライバーを試してきた。(現状所有しているのは、D220Ti、45D100、DH1Aのみ)

こんな調子で、色々試してきたのは1980年前半からだけど、もうそろそろ色々な面で限界なので、出来れば、一発勝負で行きたい。

milonさんはアルテックの重量級だし、多chホーンシステムを組まれている先輩方もエール音響とか、YL音響、JBLの重量級なので、重さだけでも無理。

ネット検索するとネオジウムマグネットのユニットは世界中には結構あるけど、入手方法が分からないものもある。出来れば、使用者の感想も有ったらと思って検索しても中々見つからない。

それで尋ねてみると、ホーンのAllenさんからはRadianの950-PBを薦められた。

RadianはUSAの製品で、950PBは、ネオジウムマグネット製品の一番高価な品。

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Radian 950-PB

DH1Aと同じ、2inchスロート4inchダイヤフラムで重量は4.73kg。レスポンスは500~20kHzで推奨クロスは800Hz。

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950-PB

特性図からは600~2500Hzが良さそうだ。

Mid-Wooferとのクロスを考えると、下が800Hzで、上は2500Hz。下のクロスに余裕がありすぎてやや勿体ない気がする。ただし、もし、将来Mid-Wooferを使わないことも考慮しておくと、600Hz付近のクロスが必要になるため、このunitが生きることになる。

逆に上のクロスが2500Hzというのは、一般的なTweeterとの間にもう一つ必要になることになる。これがホーンタイプでなかったら、例えばドームタイプやコーンタイプなら2500Hz位から使用できるTweeterも有りそうだが、ホーンタイプでは1inchのドライバーがそれに該当することになり、基本5wayとなってしまう。

同じRadianには760NEOPBというドライバーがある。

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Radian 760NEO

ネオジウムで重量は2.09kgと相当軽い。2inchスロート3inchダイヤフラムとなり、レスポンスは500~20kHz、推奨クロスオーバーは900~2000Hzで、Mid-Wooferとの繋がりはちょうど良い。

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760NEO

特性図からは、上は7kHzまで使えそうで、Tweeterとの相性も良い。ただし、900Hz以下のレスポンスは余り望めないが、しかし、500Hzまでは緩く減衰するもののその特性は滑らかなので、組み合わせるホーンによっては、若干の上昇もあるかも知れない。

さらに760NEOPBと外観、重量、ダイヤフラム径が全く同じでスロートのみ1.4inchの745NEOPBというのもある。

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745NEO

諸特性は同じとされるが、特性図からは、1.5kHz以下は望めないが、上は13kHz位まで使えそうで、どちらかというと中高域タイプ。

ここまでの場合、Mid-Wooferを使用した形に限定すると、760NEOPBが最適。そしてMid-Wooferを使わないことまで考慮すると950PBということになる。


ネオジウムマグネットのユニットは、ドイツ製のBMS、イタリア製のB&C、RCFや、Fital Pro、Beymaなどにもある。これらの中で特性図の分かっているものを記載する。

注目は、Fainal ProのHF200。

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Fainal HF200

2inchスロート3inchのチタンダイヤフラム。重量は3.2kg。レンジは500~18kHzで推奨クロスオーバーは900Hz~。

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HF200

特性図からは1.5k~4.5kHz位。

そしてもう一つ、RCFのND950 2.0。2inchスロート、ボイスコイルは4inchでダイヤフラムはチタン。

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RCF ND950-20

特性曲線は以下。

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ND950-20

推奨クロスオーバーは発表されていないが特性図からは、600~4kHzまでか。

価格的には、USAのある店のデータでは、745NEOPBと760NEOPB、HF200が同額で約300ドル。950PBが約400ドル。RCFのND950は不明だが、たぶん950PBに近い価格と思われる。

BMSは、どういう訳かCOAXIALタイプが多く、同じシリーズにはMIDタイプもあるが価格が600~750ドルと高価なので、候補から外した。

また、B & Cには、DE900TNというのがあって、1.4inchスロートながら3inchチタンダイヤフラムでレスポンスが500~18kHz、重量2.6kgというのがあるが、特性図は見つからず、しかも約500ドルと高値なので候補に入れないことにした。

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B&C DE900TN

これらは、あくまで諸元と特性図、および重量と価格からのチェックなので、音の点は全く分からない。
Radianについては横浜にあるKOZY STUDIOが日本総代理店らしいが、他のメーカー品については並行輸入しか無さそうである。以前のように、いくつか購入して聞き比べれば完璧なのだが、最近は資金が底をついてきたので無理。どれを最終候補にするか、考えどころである。