★オーディオ奮戦記★

40cmウッドホーンを中心とした4wayマルチシステム

FIDELIX CERENATE

ー 2009/03/13 ー

小さな DAD-M100proという魅力のある(見栄えは別として)パワーアンプは快調に使えているが、この時期になるとなんとなく、新しい機器が気になってくる。

ヤオフクなどを覗くと、往年の名器と呼ばれるパワーアンプが多く見られる。名器と呼ばれるものは、やはり強力な電源を売りものとし、大きく重いパワーアンプが多い。

20kgから30kgほどで高さも 200mmを超える、ドブ板を3枚くらい重ねたようなものばかりである。お値段的にはほどほどで買いやすいものの、1970年代後半から 1980年頃の製品が多い。年代物ばかりだからコンデンサーの抜けやリレーの接点不良など、今は出ていなくても、そのうちに問題になる可能性が高い。

しかもスペースの制約、体力的な制約、そして電気代からの制約という観点からは、どちらかというと外れてしまうものが多い。・・・そこが最大の問題!である。

それで先日、ダイナさんに発送した合計 6台の機器が順調に売れてくれれば、頭金くらいは稼げるだろう、という思いから、久しぶりに「オーディオ・アクセサリー」の132号を買って見た。

この手の雑誌は、情報を見てしまうと、半分くらいはコマーシャルなので、重いだけであるが、なんとなく捨てられず処分に困る。だから少しの間は買わなかったのであるが、しばしこの世界から離れていると、新進のメーカーが一杯出てきていて、話題について行けない、浦島太郎の気分になるのでたまには買って見る状況。

その中で、気なったものは、FIDELIXの CERENATEというパワーアンプである。まだ発売されたばかりらしい。

オーディオアクセサリー2009 No132 SPRING 159pより 
<TEST ROOM 2009 話題のモデル集中試聴レポート>として柴崎功氏が以下のような記事を載せている。

f:id:nbins:20200426001308j:plain
ローノイズのスイッチング電源を搭載した軽量、コンパクト型パワーアンプ
f:id:nbins:20200426001348j:plain
CERENATE リアーパネル

ワイドレンジで癖がなく瞬発力があって制動力が高い

「フィデリックスは比類なき低雑音のオーディオ用スイッチングレギュレーター「セリニティー電源」を開発し、これを用いて小型軽量と高音質を両立させた、40W+40W / 8Ωのボリューム付き AB級 DCパワーアンプを発売した。
 入力端子は RCAのアンバランスと XLRと TRSに対応した複合型バランスコネクター、出力端子はバナナプラグ対応のスピーカー端子とヘッドホン端子を装備し、スピーカーを接続せずにヘッドホンだけを使用すると、アンプは A級動作となる。アンブ部には、ジェフロゥランドの MODEL10などに採用されて音質的評価の高い、ナショナルセミコンダクターのパワーアンプ IC「LM3886」を採用。
 これを直流まで増幅できる完全 DCアンブとして動作させて、広帯域アンプを構築している。この ICは多重の保護回路やミュート回路を内蔵して電源オンオフ時のホップノイズが出ないため、音質を劣化させがちな出力リレーは追放されている。リアパネルには BNCリモートセンシング端子が装備され、スピーカー端子からアンプにフィードバックを掛けて、スピーカーケーブルによる劣化を補正することも可能だ。
 セリニティー電源は瞬時電流供給能力が高くて超ローノイズなのが特徴で、AC入力が電気的にも音質的に無極性なので、電源プラグの向きは気にしなくても良い。
 本機はスイッチング電源を採用しているとは思えないほどS/N感と透明感が優れ、音の鮮度が高い。またワイドレンジで癖がなく、瞬発力があって制動力が高いので、小型軽量アンプとは思えないほどエネルギッシュでパワフルな音が出る。定格出力が 40Wなのでパワー不足を心配したが、能率 88dBのアルテミスEOSで音量を上げて聴いてもパワー不足を感じないので、瞬間的にはかなりのパワーが出せるようだ。スピーカーを外してヘッドホンアンプとして使用すると、非常にスケールの大きい伸び伸びした音で、これにも感動した。」

フライングモールでも「瞬発力があって制動力が高いので、小型軽量アンプとは思えないほどエネルギッシュでパワフルな音が出る」を感じた。しかし、見栄えの点では「くろこ」的で寂しい。

その点、この CERENATEは、なかなか優れているように思う。